無題

外国の商品が安くなるから、円高のほうがうれしいという人が多いかもしれない。じっさい、円高 になれば、海外旅行に行ったさい、ラッキーと感じるものだ。 ところが、日本には「円高=ラッキ ー」の人だけがいるのではない。とくに、輸出に頼るメーカーや輸出業者の顔は、しだいに青くな っていく。 そういう事情を背景にして行われるのが、日銀による”ドル買い介入”である。 市 場でドルを買うことで、円安へと導く。輸出に頼る日本の産業に打撃を与えない為にも、この日銀の市場 介入は、重要な為替政策の手段となっている。 ところが、日銀が介入して買ったドルの約半分が、どこかへと、消えてるのだ。日銀が買ったドルは、外貨準備高としてプールされることになっているのだが公表資料おこまかく検討してみると、外貨準備高としては、買ったドルの半分しかプール

されていないという事実がある。 この事実に対して、政府はなんの説明も行っていない。そこでウ

ワサされているのが、”日本銀行に預けているのではないか”という説である。 実は、大量の不良債

権を抱える日本の銀行は、ドルをあまり持っていない。不良債権問題で世界的な信用をなくしてい

るため、ドルを安い金利では借りられなくなっているのである。 その一方で、海外に進出した日系

企業がドルを借りるのは、日本の銀行であることが多い。 つまり、日本の銀行はドルが必要なの

に、十分なドルを準備できていない。そこで政府は、介入しえ買ったドルを日本の銀行に預金、間

接的に資金援助しているのではないかと推測されている。